想い

若者に説得できるに値する、苦い経験を経た奥深さを持て。
若者に関わるなら、自慢を捨て去る潔さを身につけろ。

自分を問え。
... 他人に問うな。

幼稚で純粋な情熱だけで走ってはならぬ。
他人よりわかったような尊大さを一瞬たりとも持ってはならぬ。

彼らの薄っぺらな友達として存在してはならぬ。
役職から許された指揮権と特権で恫喝することを威厳だと取り違えるな。
眼から全身から発する威厳は己自身と自分の歴史そのものだ。

彼らの成長に目を細め、その裏で進行する堕落を見過ごしてはならぬ。
表面上の幼稚さで彼らの全人格を決めつけてはならぬ。

自分の通った道で今もがいている分身が彼ら。
自分が逃げてしまった道を軽く越えてすすもうとする、最も学ぶべき挑戦者が彼ら。

学べ。歴史に耐えれぬ哲学を捨てろ。ショートカットで得た借り知恵は役に立たぬ。
未来を照らし現実に合致した自分の曲げない信念を持て。若者と関わるならそれは正義でなくてはならぬ。

競争の現実に彼らを立たせろ。
わけ隔てするな。常に同じスタートラインを用意しろ。

こだわれ。選手の匂いを嗅ぎ分けろ。
好みの色眼鏡は視野確保の敵であることを自覚できているか。

自分の自慢できる実績は隠せ。
自分の自慢できるところを現場で表現しろ。

彼らの良いところを見ろ。
自分の悪いところを突き詰め、彼らの中に同種のそれを見出した時に猛烈に激しく叱れ。

変えるべきところに気付かぬ彼らに逃げ道を与えるな。
変えるべきところにもがき始めた彼らにちょっとした破滅の道を開けて確かめろ。
彼は自分の弱さを理解するはず。

そして
結果に責任を持ち、死んでも言い訳一切しない男であれ。
良きライバルを称賛しろ。悔しさ閉じ込める冷徹な心臓、強靭な歯ぐきを持て。

他人の指摘に耳を傾けろ。
他人の評価を気にするな。それは俗物の自己愛だ。

視野は上じゃない。目の前の奴にだ。
が、志はここにはない。上だ。もっともっと上だ。

育成は自己を満足させる場所ではない。
後の次代をになう彼らが持つ誇るべき遺伝子スイッチオンの手助けをする聖地だ。

名を残すな。人を遺せ。
育て応援する者は絶対に前に出てはならない。

昨日の確信を今朝に捨てろ。
1日1日の継続のみを信じろ。

終わっている過去を振り返るな。
もがき進んでいる彼らを見守れ。

労働効率の悪い人となれ。日本で最も時給の低い濃密な時を経験しろ。
金を稼いでいるのではなく、人を育てているなら。

偏見と迎合が敵だ。良いところを見る基準が狂っていないか。
どうしても見つからない時はこう思え「弱点も個性だ」と。

他人の嫌なところが思考の前面に出てきたなら、
人に関わるところからすぐさま撤退しろ。
人は複雑だが、人はだれも素晴らしく、すべてがリスペクトできる特別な存在。
それこそが例外のない真実。

ダメな奴はいないかって?
そりゃいるだろう。
が、そんな奴は目に入らない、視野の対象外、問題外の外にいる生物だ。
愛情の対立語は「無関心」だ。

指導者も個達と共に、誠実であれ!