志は高く!

~偉人の言葉から~
 
【ライバル】
自分を成長させるためにも、ライバルの存在が重要であることは間違いない。

アルゼンチンはブラジルがいたからこそ、強くなってきたし、オランダだってドイツがあって成長してきた。

日本の進歩だって韓国なしには語れないはずだ。...
ただ、ライバルというのは、作ろうと思ってできるものじゃないんだ。
まずは、自分が志を立てることが大事なんだ。
  俺がこの世界に入った時に初めて本格的な指導というものに触れたのが、ドイツ人のクラマーさんのコーチングスクールだった。
その指導者講習会では、すごくいろんなことを吸収させてもらったし、その後ヨーロッパへ研修に行って、かなりのカルチャーショックも受けた。

でも、それらを通じて俺が感じたのは、『このサッカーは日本人には合わないな』ということだったんだ。
  日本人は頭が良いし勤勉だからドイツのサッカーが合っているというのが、当時のサッカー協会の方針だった。

でも、俺はそう思わなかったし、日本人の体型に合ったサッカーは、きっと違うとこにあると思っていたんだ。

そこで辿り着いたのが、今でも俺の中でベースになっている南米のサッカーだったんだ。

そこで俺は、『南米のサッカーをやろう』と、志を持ったんだよ。
  今でこそ、ポールを丁寧に扱ったり、トリッキーなプレーをしたりするサッカーがずいぶんと広まってきたけど、あの当時、「南米のサッカーをやる」って言っていた俺は、相当に異端児扱いされたよ。

でも、俺は自分の志を曲げなかったんだ。

  静岡県下には、それこそいろんな指導者がいた。

浜名高の美和利幸さんは蹴って走るサッカー、清水東高の勝澤要さんは両サイドからの速い攻撃、そのほかにも、清水商の苫米地康文さん、静岡工には松本博之さん、藤枝東には長池実さん、東海大一には望月保次さん……それぞれ一国一城の主みたいな感じで、サッカーのスタイルもそれぞれ違っていた。
その中に俺は、南米スタイルの個人技中心で、当時では珍しい3バックで戦ったんだ。

とにかくテクニックにこだわったサッカーをやっていたら、自然とみんなライバルになっていったんだよ。

高い志を立てて、そこに挑戦することで、ライバルは自然と出てくるもんなんだよ。

その中でお互いが切磋琢磨して成長していけるんだ。

 周りに流されたり、勝敗だけにこだわったりしていると、何も残らないんだよ。

大会の結果に一喜一憂しないで、どうやったら良い選手を育てられるのかと、いろいろ試行錯誤しなければいけない。

そのためには、一生かかってやり続けられるような志を持つべきなんだ。
もちろん、俺も最初からそれを理解していたわけじゃない。

勝てない時期には相当に悩んだこともあったよ。

でも、俺には高い志があったから、ブレることはなかった。

今思うと、だからこそ、良いライバルに恵まれたと思っている。自分の志が高ければ高いほど良いライバルが出てくるんだ。
それによって、また勉強できるし、勇気づけられるし、自分に志がなかったら、勝ち負けだけで終わってしまう。

目先の勝利を見るんじゃなくて、遠くを見据えていくことだね。

あくまで世界を見ないと。高校選手権も、全日本ユースも素晴らしい大会だけど、そこで勝つことだけにこだわっていると、そこで成長は止まってしまう。

同年代の世界を見ると、もうトップレベルでバリバリに活躍しているんだから。
  「作ろうと思ってできるもんじゃない。自分の志が高ければ高いほど自然と良いライバルが出てくるんだ」